コンタクトセンターQ&A

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2023年11月


回答者

質問


要領よく仕事を進めるベテランのコミュニケーターは、評価される指標の達成に注力しがちです。そのため、モニタリングチェックシートにあることや提示されている目標は一通り応対に入れる努力はするものの、お客様の状況を考えずに応対する傾向があります。 そのため、お客様から「答えてくれるが、事務的だ」、「一方的で私の状況に合っていない」などと言われる場合があります。
お客様に合わせて応対するように指導しているのですが、「やることはやっていますから、十分だと思います」と言い応対に変化が見られません。どのように指導すれば効果があるのでしょうか。

回答


コールセンターでは、業務を定量的に把握して効果的・効率的なマネジメントを行うためさまざまな指標を活用します。しかし、あらゆることの指標化は当然不可能です。わかりやすい目標値を達成するだけでは、仕事の成果をあげること、ましてや一人ひとりのお客様にご満足いただく応対を実践することはできないでしょう。

指導に苦慮されているコミュニケーターの方は、成果を出すことは重視しているものの、応対全体や応対でやるべきことのつながりを考えていません。まずは、定量的指標が持つ意味と、電話応対に求められる全体的成果の理解を促します。

できていないことの事実とその影響を指導する前に、センターミッションなどの仕事の土台を伝え、お客様満足とは何かを見つめ直し、自己に求められる役割を初心に戻って整理しましょう。ベテランの方はそのぐらいわかっているはずと言いにくいかもしれませんが、ベテランだからこそ自己の考え方を優先し、自分がやりやすい応対に始終するケースがあるものです。

その次に、お客様を知ることを徹底するために聞くスキルを駆使して応対を組み立てることを考えます。例えば、お客様の心情に合ったクッション言葉の選択には、お客様の状況と心理への影響を聞き出したり、把握した内容から仮説を立て推察したりすることが必要です。

この聞き出しと仮説を立てることは、お客様に適した順番と内容の回答の組み立てにも有効ですね。クッション言葉を使えさえすれば配慮になる、正しいことを回答すればよいという考えを捨ててもらうのです。応対スキルはそれぞれ個別にあるのではなく、連携しプロセスを作り出すこと、お客様の状況・背景がわかってこそご満足いただく応対ができることを根気強く指導することが行動変容の道につながります。

(掲載:CCAJ News Vol.320)


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