コールセンターの多くが「コミュニケーターが定着しない」という悩みを抱えているのではないでしょうか。コミュニケーターを募集し採用に至っても、一人前になるまでに徐々にドロップアウト(脱落)してしまうという経験を繰り返しているセンターも少なくないでしょう。
採用後に辞めるタイミングを、3日・3 週・3 カ月くらいとして、考えられる主な理由を挙げます。
1. 3日で辞める…覚えることが多すぎて自信をなくす
募集広告に「未経験者歓迎」と書かれてあったが、パソコン操作が複雑だったり、商品やサービスが多岐に渡っていて覚えきれない。研修についていかれない。
2. 3週間で辞める…イメージしていた職場環境と違う
採用時に「明るい職場」だと聞いていた。トレーナーは丁寧に説明してくれるが、ミスインフォメーションがあってはならないので、厳しく指導される。センター内はみんなピリピリしているように見える。ざっくばらんに話せる仲間ができないまま、研修中に一人二人と辞めていく。今辞めないとタイミングを逃すような気がして焦り始める。
3. 3ヵ月で辞める…不安なまま業務を行っている
デビューしたものの、研修で学んだことが全てではないことを知る。情報が頻繁に更新されるため、新しい情報についていくことができない。その上、わからないことがあってSVに尋ねるとイヤな顔をされるので、聞きづらい。
では、定着率を高めるためにどのようなことを意識すれば良いでしょうか。
私たちは、心理的安全性が保障されていると安心して仕事を継続することができます。そして、この心理的安全性はチームの在り方によって築かれると言えます。
『チーミング』という造語がありますが、このチーミングこそが、心理的安全性を高め、離職率を低下させるポイントではないかと思います。
チーミングとは、メンバー個々人が「質問する・情報を共有する・支援を求める・失敗について話せる・意見を求める」といった行動ができる状態を言います。
日頃から、コミュニケーターが抱えている不安を聞きだして解消しようとする姿勢を示すこと。また、勤務形態が異なるコミュニケーターにも情報が行き届く仕組みを作ったり、センターが忙しい時こそ、質問できる態勢を整えておくことも必要です。
自社のセンターが、心理的安全性を意識したチーミングを行っているか否か、あらためて確認してみてはいかがでしょうか。
(掲載:CCAJ News Vol.314)
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