経験のない業務には不安が付きものですが、コールセンターの管理に特別な能力や知識が求められるわけではありません。逆に、コールセンターでの経験は、どのような職務にも活かせるノウハウとして蓄積されますので、ご自身のキャリアアップにつながるチャンスを得たと捉えることができます。
当初は、聞き慣れない用語や端末操作に戸惑うかもしれませんが、飛び交う言葉がわからなければ、その場ですぐに尋ねたり、コミュニケーターが使用している端末をいろいろと操作したりしていれば、それほど長い期間を要せず理解できるようになるものです。
月末や月初め、受付日や締め切り日、媒体到着時期などに呼量が急増し、センターが騒然としてくると圧倒されることもあるかもしれませんが、受架電量の波がわかってくれば、次第に業務のリズムもできてきます。
業務に早く慣れたいという思いがあるかもしれませんが、組織を管理運営するSVには「人材マネジメント力の発揮」が期待されています。
お客様と接しているコミュニケーターが、やりがいや達成感を得ながら業務を遂行できるような環境を作り出すことが、SVを始めとする管理者のミッションとも言えるのです。
そして、そういった環境作りには、組織の全員が『自社のセンターが果たす役割』を共有していることが必要になります。
センターには数値目標(KPIなど)がありますが、数値目標は『自社のセンターが果たす役割』がベースになっていますので、今まで確認する機会がなかった方は、ぜひ上司や組織長に次の3点を尋ね、把握・理解しておくと良いでしょう。
1.『なぜコールセンターを設置しているか(設置の目的を知る)』
2.『私たちにとって “お客様” とは誰か(お客様が抱えている問題や課題を知る)』
3.『お客様にどのような企業イメージを持ってもらいたいか(大切にしたいことを知る)』
上記を理解しておくと、センター全体の品質レベルも判断できますし、コミュニケーター個々のスキル評価や育成方法、適正配置などを考える「人材のマネジメント」にもつながります。
そしてなによりも、センターの存在意義や価値を理解すると、新しい職務に就いたご自身のモチベーションも高まるのではないかと思います。
(掲載:CCAJ News Vol.313)
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