コンタクトセンターQ&A

コンタクトセンターQ&A

コミュニケーション・ヒューマンリソース・センターマネージメント・スクリプト・システムなど、あなたの疑問・質問に、コンタクトセンターのエキスパートがお答えします。


2019年3月


回答者

質問


採用したテレコミュニケーターが研修中に辞めてしまうことが多く、困っています。研修中の早期離脱を防ぐには、どうしたらよいでしょうか。

回答


せっかく良い出会いがあって採用できたテレコミュニケーターさんですから、研修を無事に終え、自信をもって活躍していただきたいですね。5つのポイントをご紹介しますので、離職要因の分析、対応策の検討の参考にしてください。

1. 採用のミスマッチ

募集要項のミスマッチが早期離職を招いていることがあります。求人広告で伝えられることには限界があるので、面接官は、最近の入電傾向(内容や繁閑差)や、センターの雰囲気(年齢層、男女比、人数)等、活きた情報をすすんで伝えましょう。また、求職者にとって一見ネガティブに感じやすい情報(覚える知識量が多い、苦情対応がある、忙しい等)は隠さず、研修・マニュアルによるサポートや上司のフォローがあることなどをあわせて伝えることで、安心材料にもなり、入社後のギャップを少なくします。

2. 研修プログラムの再構成

プログラムの構成は最重要ポイントです。研修期間が長い場合は、インプットとアウトプットのバランスに注意します。新人研修では、講義を受ける時間に多くが使われ、受講者であるテレコミュニケーターにとってはインプット過多になりがちです。情報が整理できずついていけなくなったり、情報の多さに自信をなくしたり、中にはわかっているつもりだが実は理解できていなかったという受講者もいるでしょう。1日1回、できれば半日に1回は、テスト、ロールプレイ、ディスカッション等を通じて、受講者がアウトプットすることで、理解度を確認できる場をつくり自信に繋げましょう。

3. 研修テキストのメンテナンス

研修の質を維持するためには、研修テキストのメンテナンスは不可欠です。長年メンテナンスされず寄せ集めのパッチワーク状態になってしまった研修テキストをよく見かけます。これでは、学習の全体像を把握できず、受講者は迷子になり、理解度に差が生まれやすくなります。担当者を決め、常に新しい情報が整理されている状態を保ちます。

4. 講師の熱意

講師スキル=インストラクションスキルに注目が集まりがちですが、実は意外と講師の熱意は重要です。講師自身の仕事への誇りや、一緒に働く新たな仲間に活躍してほしいという気持ちは、受講者に必ず伝わります。

5. 仲間意識の醸成

テレコミュニケーターという仕事柄、他の人と関わらず一人で黙々と仕事をしたいという方もいるでしょう。それでも共に頑張る仲間との交流は必要です。孤立した、馴染めない受講者がいる場合は、グループワークやペアワークを取り入れ、他の受講者と関わるきっかけをつくり、仲間意識の醸成を促進しましょう。

これら5つのポイントは、それぞれ担当する部門が異なる場合もあると思います。各担当者が意識を変え、バトンをうまく受け渡していくことで、新人テレコミュニケーターの早期離脱防止に繋げてください。

(掲載:CCAJ News Vol.264)


ご質問をお寄せください


「フィードバックしても、なかなか改善しない時にどのように指導している?」「AIの導入にあたっての留意点は?」など、コンタクトセンターに関するご質問にエキスパートがお答えします。
ご質問は(一社)日本コールセンター協会 事務局までメールでお寄せください。なお、ご質問者の氏名や所属先などは公開しませんのでご安心ください。

ご質問は、こちらまでお寄せください。

一般社団法人日本コールセンター協会(CCAJ)事務局
E-mail:office@ccaj.or.jp