コンタクトセンターQ&A

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2020年5月


回答者

質問


クレーム応対法について指導するとき、テレコミュニケーター(以下 TC)に対してお客様の話を傾聴するように伝えています。TCは指導した手順通りに応対を進めているのですが、いつも同じようなトークになっており、共感の姿勢が伝わってないように感じられます。効果的な指導方法を教えてください。

回答


クレーム対応では、お客様の「物理的ニーズ」と「心理的ニーズ」の両方をケアする必要があります。「物理的ニーズ」とは、物品やサービスの不具合に対する要求のことで、社内の対応方針に沿って対応することで解決を図ります。一方、「心理的ニーズ」とは、お客様がその事象に対して抱いた感情からくる要求のことで、同じ事象でもお客様が抱く感情は人によってさまざまです。このケースでは、個々のお客様の「心理的ニーズ」を深く読み取って対応する力を強化することをおすすめします。
モニタリングをしていると、お客様が「商品が届かない」とおっしゃると「ご不便をおかけして~」、「担当者の感じが悪い」に対しては「ご不快な思いをおかけして~」と、汎用性の高いトークだけで受けとめている応対を耳にすることがありますが、これでは十分な共感を表すことは難しいのです。
クレームの場合、多くのお客様は、物理的ニーズだけでなく、「自分がこんな気持ちになったことをわかってほしい」と思って電話をかけてこられます。お客様の主張や発言の中から、感情を察するトレーニングが有効です。
例えば、「わざわざスタッフに聞いて購入したのに、サイズが合わなかったのよ」というお客様の一言からは、「サイズが合わずに困る」に加えて、「スタッフを信用していた」「絶対に間違いたくなかった」「手間を惜しまず、細心の注意をはらって購入した」のような感情も察することができます。
そのうえで、受けとめた感情を言語化するとよいでしょう。「スタッフを信頼いただいていたにも関わらず」や「わざわざご確認いただきましたのに」をプラスして、「ご迷惑をおかけして大変申し訳ございません」を伝えると、寄り添う姿勢が加わり、共感度合いがアップします。美辞麗句である必要はなく、気持ちを言葉にすることで、感情がこもり、伝わりやすくなります。
「自分の気持ちをしっかり理解してもらえた」とお客様に感じていただけることで、よりスムーズなクレームの解決を図ることができるよう、トレーニングを継続してください。

(掲載:CCAJ News Vol.278)


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