コンタクトセンターQ&A

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2020年4月


回答者

質問


ここ数年で高齢のお客様からのお問い合わせが増えています。聞こえが悪い高齢のお客様に対して、つい大声になったり、言い争っているように話をしたりするテレコミュニケーター(以下 TC)がいます。このような TCに対する効果的な指導方法を教えてください。

回答


昨今、多くのコールセンターから高齢のお客様対応に関するお悩み相談を受けます。超高齢社会の日本では、コールセンターにおける『お客様の高齢化対策』は重要課題の一つです。ぜひ、早期改善に努めていきましょう。
高齢のお客様と円滑にコミュニケーションをとるためには、高齢者の特性である「老化による聞こえ方、話し方、感じ方などの変化」を知り、その対応法を身につけることが大切です。
高齢になると高音域が聞こえにくくなると言われています。また、聞こえていても理解するのに時間がかかったり、理解できていなくても「はい、はい」と答えたりする傾向があることも報告されています。
時折、「ですから~」「先ほども申し上げましたように~」と TC が大声で話している応対をモニタリングすることがありますが、イライラして話をすると声高になり、かえって聞き取りづらさが増すため、注意が必要です。
最も有効な対応法は、『落ち着いたトーンの声』で話すことです。ただし極端に声を低くしたりする必要はありません。話すスピードを落とすことを意識し、句読点の『間』をほんの少しだけ長めに空けるとよいでしょう。あわせて、文頭や文節ごとの最初の音は、明瞭な発音を心がけてください。特に、サ行やハ行の摩擦音は聞き取りにくいので、気をつけましょう。
また、話をわかりやすくするためには、長文をなるべく避け、短めの文で話すことがポイントです。専門用語は避け、漢語より和語を多めに使うとよいでしょう。話の合間に、こまめに相手の理解度を確認する気遣いも重要です。
指導を行う場合は、これらのポイントを伝えたうえで、ロールプレイングによる音声表現のトレーニングを実施することが大切です。また、応対でイライラしがちな TCには、自身のイライラをコントロールするよう意識改善を促すことも有効な手段となるでしょう。
高齢のお客様は、話の内容以上に TC の態度や語調に対して敏感なものです。人生の先輩と会話をしていることを忘れずに応対するよう、指導をすすめてください。

(掲載:CCAJ News Vol.277)


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