最近はノンボイス(電話ではない)コミュニケーションを選ばれるお客さまが多いため、改めて Eメールやチャットが着目されています。迅速性のパフォーマンスは、期待する速さで回答が返ってこなければ不満に繋がるといった「不満因子」であるため、ご質問のケースにあるように、お客さま満足度の特に不満足度に影響を与えるパフォーマンスです。
よって返信納期の目標値設定と納期管理はとても大切ですね。
Eメールの返信納期24時間は標準的な値ですが、サービスの種類によってお客さまの感じ方はさまざまです。最終的には自社の満足度調査結果を分析して自社なりの納期設定をしましょう。以下お客さまの声の分析と納期設定・納期管理の観点でのアドバイスを記載したいと思います。
Eメールの納期を考える上で考慮したいのは、Eメール回答は1回完結を期待されているということです。お客さまは、回答文の中に質問がありその質問に答えなければ回答を得ることができないとは想像していません。Eメール納期の24時間は、解決納期(24時間後にはお客さまが解決できている)と置き換えることができます。このように、Eメールはお客さまの期待とマネジメントに GAPが生じやすいものですので、満足度調査の分析は複数の視点で行いましょう。
不満の分析を行う折、まず内容分析をすると良いでしょう。例えば不満の声の多くは、一次回答 24時間以内だけれども、その後もやり取りが続き、最終回答は24時間を超えていた、あるいは未解決のままであったということであれば、返信時間よりも一次解決が課題と言えます。
不満の声のほとんどが 24 時間以内の一次解決済ということならば、返信スピードに課題があると言えます。
次に、納期の起点が顧客視点になっているか確認しましょう。お客さまにとってはEメールを送信したタイミングが起点ですが、Eメールを受け取ったタイミングを起点に納期管理を行っている場合があります。例えばお客さまが夜9時にEメールを送信し、オペレーターの方が受け取るのは業務開始時間の朝9時である場合、受け取る時点で既に12時間たっています。顧客視点での 24時間になっていない場合は、タイムスタンプ管理に課題があると言えます。
お客さまの声からはさまざまなヒントを得ることができます。継続的にEメールのマネジメント方法をレベルアップすることによって満足度向上に繋げましょう。
(掲載:CCAJ News Vol.328)
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