コンタクトセンターQ&A

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2018年11月


回答者

柴山 順子 氏

株式会社プロエントコミュニケーションズ 代表取締役
アクティブワークケア開発センター 代表


「コールセンター ストレスマネジメント基礎講座 ~コールセンター特有のストレスを考える~組織の健康測定とストレス低減策~」講師

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柴山 順子 氏

株式会社プロエントコミュニケーションズ 代表取締役
アクティブワークケア開発センター 代表


「コールセンター ストレスマネジメント基礎講座 ~コールセンター特有のストレスを考える~組織の健康測定とストレス低減策~」講師

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質問


ストレスが応対品質にも影響している気がします。研修をしても大声の応対や、しどろもどろな説明に変化が見られません。短時間でも取り組めるようなストレス低減のための研修事例はありますか。

回答


大声の応対やしどろもどろな説明をしている状態そのものが「ストレス反応」かもしれませんね。コールセンター従業者への「ストレス反応」調査で、経験率が高い項目は

 ・気分が落ち込だ
 ・イライラした
 ・仕事に行きたくないと思った
 ・不安になった
 ・電話を取りたくないと思った

等です。毎日仕事をしていれば誰しもそんなふうに感じる経験はあるので、このような「ストレス反応」が一時的なものであればそんなに心配はいりません。一方で

 ・電話対応中に思わず大声になった
 ・電話対応中にうまく日本語がしゃべれなかった

等、声の変調を経験した従業者が多い場合は、センター全体に長期的な負荷がかかって好ましくない状態に陥っているのかもしれません。ストレス低減の対策が必要です。
研修としては、ストレス反応が高く出ることを防止する「リラクセーション」から始めてはいかがでしょうか。方法はいくつかありますが5分程度で実施できます。業務研修やスキル研修の中に織り込んで全員を対象とすると良いでしょう。

取り組みやすいのは次の2種です。

・腹式呼吸でリラックス
・筋弛緩法でリラックス


腹式呼吸は、口から長くゆっくりと息を吐き、その後に自然に鼻から息を吸うことを繰り返します。目を閉じて呼吸することだけに集中します。緊張状態では浅く早くなりがちな呼吸を、深くゆっくりした呼吸にコントロールすることで気持ちが落ち着きます。
筋弛緩法は、体の一部の筋肉を10秒間緊張させ、その後ふっと緩めることを繰り返します。例えば、

 1.顔(額にしわを寄せて緩める→目をギュッとつぶってから、ゆっくりあける→奥歯を噛みしめて緩める)
 2.肩を耳につけるくらいのつもりでぐっと上げて下ろす
 3.胸の前で手のひらを合わせて力いっぱい押し合う
 4.足を延ばして床から少し持ち上げて下ろす

1~4を一項目ずつ行ってから、全部続けて行って体全体を緊張させ、10秒後に力を抜きます。
力を抜いて、だら~んとした状態がリラックスです。自分がリラックスした状態を覚えて、いつでもどこでもリラックスできるようになるとストレス反応も起きにくくなります。
リラックスした状態で応対できる従業者が増えれば、良い雰囲気がお客様にも伝わるでしょう。コミュニケーションスキルや知識の研修に加えて、ストレス反応への対処も共有することは応対品質向上に役立ちます。

(掲載:CCAJ News Vol.260)


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